自分のペースで働ける職場で、
必要とされる人材を目指す
市役所嘱託職員 Y・Nさん
女性47歳 クローン病歴32年
病歴・職歴
- 発症・入院
- 高校時代・肛門周囲腫瘍により外科手術
- 1つ目の仕事
- 市役所臨時職員
- 再燃・入院
- 在宅IVH・大量下血による輸血など
- 2つ目の仕事
- 市役所嘱託職員
- 3つ目の仕事
- NPO法人 施設管理など
- 4つ目の仕事
- 市役所嘱託職員(現職)
就労における優先事項
●自分の体調でも働ける職場を
発病後も、たびたび再燃していて、体調に不安がありました。
正社員でなくても自分のペースで働ける仕事を探しました。
仕事を長く続ける工夫・ストレス解消法
同僚の信頼を得ることが大事だと考え、職場で必要な人材になるよう頑張りました。
体調がよければ好きなものを食べてストレス解消します。また休みの日は趣味
(写真、手描友禅、洋裁など)に没頭
します。
就労体験談
初めての就職をする時、体調を考えるとフルタイムで働くのは難しいと思っていました。市役所に勤めていた親戚が臨時職員のことを教えてくれました。臨時職員は、3か月働いて1カ月休みというサイクルで、次回にもまた面接などがあり、必ずしも採用されるわけではないのですが、仕事内容もハードではなく、それなら自分でも大丈夫だと思い、応募しました。結局、体調悪化により休んだりしながら、足掛け14年ほど臨時職員を勤めました。
その後、同じ市役所で嘱託職員の募集があり、臨時で働いていた時の上司から、受けてみないかとアドバイスを貰いました。資格が必要な職種だったのですが、嘱託職員になれば5年間働けます。勉強して資格を取り、嘱託として採用されました。5年の期間が過ぎて、今度は民間で働いてみたくなりました。
ちょうどこの頃、患者会で就労の問題に取り組んでいて、私も病気を隠さず働くことの大切さを知り、自分でも実践しました。NPO法人にはクローン病を告知して採用されました。しかし市役所と比べ、朝早くから夜遅くまでの勤務があり、やはり体力的に難しいと3年で退職、再び市の嘱託職員の試験を受けました。経験が有利に働いたのかわかりませんが、在職時、真面目に働いたことが評価された部分もあると思っています。
以前の私は「病気を持った可哀想な人」といわれるのが嫌で、職場では病気を隠していました。でも、今は「病気でも仕事がちゃんとできる人」だと認められれば問題ないと思っています。
※CC Japan vol. 88 (2015年10月)より引用
※情報は取材時のものです