2016年、潰瘍性大腸炎の診断を受けた安達 了一選手。病気と向き合いながら、今もプロ野球の第一線で活躍する安達選手に「自分らしく」プレーするためのセルフマネジメントについてお話を伺いました。

「自分で決めたルーティンを守ること。
心に余裕が持てるように」

ゲームに出場し
つづけるために、
実行していることは

食生活は気を付けていますね。食事は、朝昼晩しっかり取って。食べ過ぎてもよくないですし、遠征のときも生ものを避けたり。でも、自分で規制しすぎてストレスになってもいけないので、そこはコントロールしながら。

安達 了一選手

食生活は気を付けていますね。食事は、朝昼晩しっかり取って。食べ過ぎてもよくないですし、遠征のときも生ものを避けたり。でも、自分で規制しすぎてストレスになってもいけないので、そこはコントロールしながら。

それと気を付けているのが睡眠。発症した頃は、睡眠がとれず辛い経験をしたから、それを繰り返してはいけないという思いからです。次の日に動けるかどうかは睡眠で変わると実感していて、早く寝るようにしています。デーゲームやナイター、遠征など、シーズン中はスケジュールが不規則ですが、自分で決めたルーティンを崩さないように。それだけで心に余裕が出てきますし、心の準備も含めて体調の管理だと思って、それを大切にしています。

「プレーに集中できるように
その日の状態を
トレーナーには正直に伝えています」

安達 了一選手

ベストコンディションを維持するための、周囲とのコミュニケーションのポイントは?

僕の場合、そのときの状態をトレーナーやコーチに正直に伝えています。「今日は少しお腹が痛い」、「体調が思わしくない」など詳しい情報ではなくても素直に。黙ったままプレーを続けて、またゲームから離れることを避けたいからです。トレーナーやコーチが僕の気持ちを分かってくれるから、躊躇なく伝えられるというのもあります。

僕の場合、そのときの状態をトレーナーやコーチに正直に伝えています。「今日は少しお腹が痛い」、「体調が思わしくない」など詳しい情報ではなくても素直に。黙ったままプレーを続けて、またゲームから離れることを避けたいからです。トレーナーやコーチが僕の気持ちを分かってくれるから、躊躇なく伝えられるというのもあります。

日常的に自分から伝えておけば、トレーナーの方々から「今日は大丈夫か」と声を掛けていただくこともあります。こうして気にかけてもらえることで楽な気持ちでプレーに専念できますね。

でも、周囲がどう捉えているかは分からないです。そこは周囲からの視線や声にとらわれず、マイペースでプレーに集中することを意識するのも大切だと思っています。

「グラウンドに立つときは、笑顔で。
同じ病気の方々が元気になるように」

プロとして のこだわりとは?

プロとしてこだわっていることは、笑顔でプレーすることです。僕はプロなので周囲から見られる仕事であるのも理由のひとつですが、とくにこういった病気になったので、同じ境遇の患者さんからも注目されています。

安達 了一選手

プロとしてこだわっていることは、笑顔でプレーすることです。僕はプロなので周囲から見られる仕事であるのも理由のひとつですが、とくにこういった病気になったので、同じ境遇の患者さんからも注目されています。

つらそうにプレーしていたら、「やっぱりきついのかな」と心配をかけてしまいます。病気になったばかりの頃、同じ病気の方々にたくさんの励ましをもらった経験があって、今度は僕が同じ病気の方々のためにいいプレーをしようと心に決めたので、「グラウンドに立つ以上はとにかく笑顔で」と心がけています。

それこそが僕の「自分らしくプレーする」ということだと思います。周囲から「ふざけているんじゃないか」と言われるかもしれません。でも、そこは自分を貫こうと思っています。笑顔でプレーしていれば、かつての僕を元気づけてくれた同じ病気の方々に、僕からの気持ちが伝わると信じています。

オリックス・バファローズ 1軍チーフトレーナー 砂長 秀行さん

ベストパフォーマンスを引き出すためのコミュニケーション

オリックス・バファローズ 
1軍チーフトレーナー 砂長 秀行さん

私はトレーナーとして、選手の体調管理、怪我や病気のケアなどコンディションを保つためのサポートをしています。そのなかで大切にしているのがコミュニケーション。表情の変化を観察しながら、トレーナー室やグラウンドで声を掛けたり。選手の個性はもちろん、そのときの心境によって声の掛け方も少しずつ変えるのが大切だと思っています。

安達選手の場合も同じです。発症したばかりの頃、復帰する前、レギュラーとしてゲームに出場するときで、声を掛けるタイミングや話の内容も変えてきました。選手とトレーナーの間で必要なコミュニケーションを安達選手としっかり話し合っているので実現できているのだと思います。チームの選手がベストのパフォーマンスを出せるようにこれからも良いコミュニケーションを心がけていきたいですね。

私はトレーナーとして、選手の体調管理、怪我や病気のケアなどコンディションを保つためのサポートをしています。そのなかで大切にしているのがコミュニケーション。表情の変化を観察しながら、トレーナー室やグラウンドで声を掛けたり。選手の個性はもちろん、そのときの心境によって声の掛け方も少しずつ変えるのが大切だと思っています。

安達選手の場合も同じです。発症したばかりの頃、復帰する前、レギュラーとしてゲームに出場するときで、声を掛けるタイミングや話の内容も変えてきました。選手とトレーナーの間で必要なコミュニケーションを安達選手としっかり話し合っているので実現できているのだと思います。チームの選手がベストのパフォーマンスを出せるようにこれからも良いコミュニケーションを心がけていきたいですね。

取材日:2019年6月13日京セラドーム

オリックス・バファローズ 1軍チーフトレーナー 砂長 秀行さん

安達了一 選手

プロ野球選手 1988年1月7日生まれ

群馬県高崎市出身のプロ野球選手(内野手)。右投右打。2012年にドラフト1位指名で入団以来、オリックス・バファローズに所属。抜群の守備センスでチームをサポートする不動の遊撃手。2016年1月、潰瘍性大腸炎で緊急入院。リハビリを重ね、復帰後は前年に続いて正遊撃手に定着。2016年7月には、月間通算の安打数30安打と打率がいずれもパ・リーグで最高だったことから、自身初のリーグ月間MVPを受賞した。現在はIBD患者さんを勇気づけたいとSNSを中心に積極的に疾患啓発活動を行っている。

群馬県高崎市出身のプロ野球選手(内野手)。右投右打。2012年にドラフト1位指名で入団以来、オリックス・バファローズに所属。抜群の守備センスでチームをサポートする不動の遊撃手。2016年1月、潰瘍性大腸炎で緊急入院。リハビリを重ね、復帰後は前年に続いて正遊撃手に定着。2016年7月には、月間通算の安打数30安打と打率がいずれもパ・リーグで最高だったことから、自身初のリーグ月間MVPを受賞した。現在はIBD患者さんを勇気づけたいとSNSを中心に積極的に疾患啓発活動を行っている。

取材日:2019年6月13日オセアンバファローズスタジアム舞洲

IBDとはたらくプロジェクトへ戻る