中学3年生の時にクローン病と診断された吉野こまちさん。
高校卒業後に心の病気で1年間休養した後、飲食店、障がい者雇用施設を経て、現在はフリーのコーチング講師として活動されています。
そんな彼女のリアルな「IBDとはたらく」についてお聞きしました。
IBDとともにはたらく
吉野こまちさんのREAL STORY
「IBDとはたらく」上での困難
高校卒業後に心の病にかかり、1年ほどは身動きが取れませんでした。
1年ほどで心身が安定した後、飲食店、障害者雇用施設で働きましたが、どちらの職場でも、体力的な面で自分には厳しく、休息をとるために退職しました。
当時一番辛かったのは腹痛です。体力的な厳しさから仕事に行くことにプレッシャーや緊張を感じるようになり、「次の日に仕事だ」と思うだけで腹痛になったり、ご飯が食べられなくなったりしました。
コーチングとの出会い
高校を卒業して、心の病にかかっていたころ、知人の紹介でコーチングを受ける機会があり、前向きに物事を捉えられるようになりました。
コーチングは、様々な悩みを持つ相手と1対1の対話を重ねて一緒に解決策を考えていく、目標達成の手法です。コーチングを受ける前の自分は「なんでこんなこともできないんだ」「病気がなければ、もっとこんなふうにできるのに」と考えていましたが、出会った後は「どうしたら、今の状態より良くなるだろうか」と、思考が前向きになりました。
例えば、「病気の状態でもどうすれば働けるようになるか?」と考え、「フリーランスで仕事を始めてみたらいいのではないか」といったように、解決策を考えられるようになったんです。
そして私と同じように病気が原因で苦しむ方を少しでも前向きな思考に変わるお手伝いができたらと思い、休職中に出会ったコーチング講師を職業に選びました。
クローン病の経験を仕事で活かす
コーチングの仕事は在宅での勤務が可能で、体力に自信がなくても続ける事ができます。
また、クライアントには疾患を抱えている人もいらっしゃって、「病気が理由で仕事を続けることや就職することが難しい」「治療が辛い」というお話をよく聞くのですが、私自身が病を抱えながら働いている当事者でもあるので、相手に寄り添ってお話を聞くことができる場面もあるんです。コーチングの仕事を重ねるたびに、自分の経験を活かせていると実感できます。
大切なのは、自分が働きやすい環境をマイペースに探し続けること
職探しや会社選びといった働く環境に対して、妥協しないことが大切だと考えています。
自分が一番良い状態で過ごせる職場で働くことが、自分らしく、病気を持ちながら働けることに繋がると思うからです。
ですが、無理をしないことも同じくらい重要です。体調を隠して仕事をしても、かえって体調を崩す原因になってしまうので。
マイペースにあきらめず、自分が働きやすい環境を作っていけると良いですね。
これからの目標
一番は、病気が原因で苦しんでいる方が、少しでも前向きになれるようなお手伝いをしたいということです。また、クローン病の認知率はとても低いので、世の中のクローン病の理解に繋がるお手伝いができたら良いと考えています!