専門医が回答
食事の制限がある患者さんにとって、他の人との食事はなにかと気を使ってしまうもの。そんなときに先輩患者さんが乗り切るために使っているテクニックを聞きました。
職場の飲み会は居酒屋で女性30代 クローン病歴16年
職場の飲み会のとき、居酒屋は料理が選べるのですごくありがたいんです。会社の人には病気のことを伝えていないのですが、冷奴と焼き魚が好きだと思われているのではないでしょうか(笑)。その場を楽しみたいので、会への誘いは断らないようにしています。
魚料理があるところに男性30代 クローン病歴6年
職場の人には病気のことを伝えているので「飲み会は肉じゃなくて魚がおいしいところにしよう!」と配慮してもらえます。お茶を飲んでいるだけでも楽しめるので、あんまり気を使わないでほしいなあと思いますが。
幹事になれば思い通り女性30代 クローン病歴4年
発症してから飲み会を避けていたら、交流が全くなくなってしまって……。最近では、自分が幹事をやって自分が食べられるお店を見つけてきて楽しんでいます。コース料理はなるべく避けて、魚の煮付けやお刺し身、最後に雑炊が出てくるような和食系のお店にしていますね。
接待は「取り分ける」ふりをして……女性30代 クローン病歴16年
女性だからできることかもしれませんが、接待などでは率先して取り分ける係に。自分のお皿には、食べられるものだけ取り分けています。あとは「おなかいっぱいなんです♥」でごまかします!
結婚式は事前に申告女性30代 クローン病歴16年
結婚式のときは、出席を伝えるハガキにアレルギーを書く欄があると思うので「ナッツ類やキノコ類はNG」とアレルギーとして書いています。食べなければ下げてもらえるので、なんとかなりますよ。
周りが盛り上げてくれた男性40代 潰瘍性大腸炎歴24年
発症したのは大学生のとき。飲み会も多かったのだが、病気のことを伝えると、周りの友人が代わりに盛り上げてくれるように。「こいつ飲めないんですよ」とかフォローもしてくれて、助かりました。
サークルの合宿で女性10代 潰瘍性大腸炎歴4年
合宿ではポテトチップスとかがいっぱい出てくるんですが、食べないようにしています。仲のいい先輩には病気のことを伝えているので、私が飲める飲み物を取っておいてくれたり、いろいろ助けてもらっています。
友人との食事で男性20代 潰瘍性大腸炎歴3年
理解のない上司との飲み会のときは「飲め!」と言われたら飲むしかないのですが、友人との食事のときは遠慮なくお茶にしています。もともとお酒が好きだったんで、ちょっと嫌なんですけどね。最近は酔っている人を見て楽しむというワザを覚えました。
全く参加していません男性30代 潰瘍性大腸炎歴20年
付き合いはすべて避けています。他人から見たらさみしいかもしれないですが、その分自分の時間を確保できて、趣味や勉強に充てられているので満足しています。
会社のランチで……男性30代 クローン病歴6年
職場の仲間に「おいしいローストビーフがあるからおごるよ!」と言われ、連れて行ってもらったのですが調子が悪くなってしまいました……。奥さんからは「そりゃ、そーだ」とあきれられました(笑)。
専門医からのアドバイス
横山薫 先生 北里大学医学部 消化器内科学 講師
ご所属名・役職名は2022年7月13日時点のものです。
食事療法の内容は、患者さんそれぞれの病状によって異なりますし、症状がある活動期と落ち着いている寛解期でも変わってきます。脂質制限などがある場合は、1日ごとではなく、1週間単位で調整するようにしてみるのも1つの方法です。
※病歴は症状の認識ではなく、医師の診断を受けてからの年数です。
※掲載しているコメントは個人の意見であり、すべての方に当てはまるわけではありません。